パートやアルバイトで働く短時間労働者が、手取り収入が減ると意識する「106万円の壁」について、厚生労働省の社会保障審議会が15日、撤廃に向けた議論を始めた。年金受給額が増え、けがをした時などの保障が充実した厚生年金への加入を促したい考え。ただ、労働時間の条件などの「壁」は残される方向で、保険料負担をどう軽減していくかが課題となりそうだ。
- 【そもそも解説】「103万円」だけじゃない…六つの年収の壁とは?
短時間労働者のうち「従業員51人以上の企業で、週20時間以上働く、月額賃金8万8千円(年収約106万円)以上の人」は、厚生年金の加入対象だ。
一方、会社員らに扶養されている配偶者の「3号被保険者」は、保険料負担なく、基礎年金を受給でき、公的医療保険サービスの対象になる。
収入が約106万円を超えると、扶養を外れて、自ら保険料を支払う必要が生じるため、106万円は「壁」と意識される。厚労省の推計では、2022年時点で、最大で約65万人がこうした「壁」を意識して働いている。
撤廃議論の背景は……
「壁」の撤廃に向けた議論の…